~ はじめに ~
人はひとりでは生きられない。
私たちはこの世に生を受け、今日までの時の流れの中で、どれだけ多くの人に支えられ過ごして来ただろうか。それは家族であり、友であり、恩師であり、そして地域であり・・・。
もしそれらの支えがなかったら、今ここに存在しただろうか。
そう、人は人との繋がりの中で生かされているのです。
決してひとりで生きているのではないのです。
私たちは、これまでの尊い軌跡に感謝と敬意を表すと同時に、今の時代を生きる責任世代の使命として、それぞれの心の奥底にあるふるさとへの想い、即ち普遍の心根を次代に繋いでいかなければいけません。
~ 地域が繋がり 未来に響く ~
新しい時代の到来に、希望を抱き夢見た21世紀を向かえ、10年という月日が経過しました。経済が右肩上がりであった過去においては、物質的な豊かさを前提とした価値観が、この国の高度経済成長を支え、現在の社会においては、「物」に満たされ何不自由なく快適な暮らしを営むことができています。
しかし現実は、化石燃料を大量に消費し自然に過大な負荷を与え過ぎた結果、温暖化の問題はこの地球さえも蝕み、実際に肌で感じるほどの恐ろしいスピードで急激な変化をおこし、もはや国を越え地球規模の問題へと発展しています。
社会構造も利便性を追い求めるあまり、生活様式の変化と共に価値観も大きく変わり、人間社会を支えるはずである、心を育むコミュニティの希薄化が進み、その結果、連日のように報道で伝えられる自己中心的な凶悪事件。これらの行き過ぎた個人主義が引き起こす現代社会特有の諸問題は、「心の豊かさ」の荒廃が一因であると言えます。
自然環境、社会環境、これらはいずれも答えの見えない闇に閉ざされ、私たちは物に囲まれ豊かなはずなのに、どこか閉塞的で心は満たされず、現代の「豊かさ」への限界を感じているのが現状ではないでしょうか。
こうした背景の中、地方分権が進み地域主権「自分たちのまちは自分たちでつくる」という時代の流れは、「明るい豊かな社会」の実現を目指す私たちにとってチャンスです。我々はJAYCEEだからこそ、この現状を好機と捉え、これまで紡いできた同じ志を持つ仲間との絆をさらに深め、未来に繋がる、市民によるまちづくりの輪を広げていこう。
2011年度、社団法人駒ヶ根青年会議所は、創立45周年を向かえます。1966年創立以来、45年という時の繋がりが、この伊南を形成しています。地域に根ざし、その時々の時代に準じた運動を展開してきた45年の歩みは、単なる伝統という言葉だけでは語れない、高い志と使命感に裏づけされる歴史です。世代を超え長きに渡り受け継がれてきたこの伝統と歴史を胸に、私たちは新たな一年の歩みを重ね、未来を切り拓かなければなりません。
「最も生命力のある種というのは、強いものでもなければ知的なものでもない。それは、変わりゆく環境に最も適応できる種である。」
生物科学者、チャールズ・ダーウィンの言葉です。時代と共に求められる価値観が多様化し、私たちを取り巻く環境も、大きな変化を見せているこの混沌とした時代、「今」を真剣に考えなければなりません。「今」を創るという事は、「未来」という時代を創るということに繋がります。我々は、自らが変化を創りだす主体となり、今こそJAYCEEとしての英知と勇気と情熱をもって「明るい豊かな社会」の実現に向け、次代に響く行動をおこしていこう。
【事業方針】
~ 彰往考来 ~
駒ヶ根青年会議所創立40周年の年に打ち出された「未来ビジョン2006」。私たちは、『市民一人ひとりが地域のことを我が事とおもい、輝く個性が「絆」紡ぐまち』というビジョンを、新たなる時代への道しるべに、多くの仲間と共に市民参加の事業を展開してきました。
このビジョンが打ち出されてから5年が経過し、45周年を向かえた今、私たちは今一度現在の立ち位置を明確にし、さらなる高みを目指すために、視野を大きく広げ大局的な視点を持ち、メンバー全員で「未来ビジョン2006」に新たな1ページを加え、50年の節目に繋がる道筋を示します。
- 彰往考来(しょうおうこうらい) - 過去の事を明らかにし、それによって将来の事を決めるの意。
~ 地域の「絆」が子どもを育てる ~
子どもたちは私たちの宝であり、地域の未来そのものです。私たちが先人から受け継いで来たように、我々の歩みは次代の子どもたちの道となります。この伊南の素晴らしさや本物の感動、達成感から、このふるさとを愛することの大切さを、次代を担う子どもたちへと伝えていくことは、私たち大人の役目なのです。
本物の感動や達成感は、心の底から湧き上がるものです。受動的ではなく、能動的な分だけ永続性があります。このような体験の積み重ねが子どもたちの「生きる力」を醸成します。
そして私たちは、この夢少年育成運動を通し「地域の子どもは地域で育てる」という意識をさらに地域へと広げるためにも、先ずは我々が組織としての事業目的と役割を明確にし、地域全体で取り組むための仕組みを発展させ、志を同じうする仲間と共に実践していきます。
~ 市民がまちのインキュベータとなれる地域づくり ~
地域主権が叫ばれる今日、JCは地域社会と市民の架け橋となり、市民が自分達の地域の事を真剣に考え、自らの力と責任で地域をつくるという積極的な市民参画の機会を創出することが必要です。
駒ヶ根青年会議所は、これまでも「地球市民による国際化のまちづくり」や「生きる力を持った夢少年育成事業」に象徴されるように、多くの方々の協力を得ながら、様々な運動を展開してきました。こうした市民参画の事業を、真の市民参画運動へと発展させることは、自立した活力ある地域の創造に繋がります。JAYCEEは青年経済人であり社会起業家です。我々は社会起業家精神を持ち、市民・行政・学校・企業各々の役割を明確にし、地域の皆さんと共に行うまちづくりのかたちを具現化していきます。
※ インキュベータ - 卵の孵化器の意。物事を生み出すという意味で使用される。
~ 会員拡大はまちづくりの源 ~
JCを個人の機会として見るならば、この組織は、多様な個性が互いに刺激し合う中で己を磨き、新しい価値観や真の友情を育む事ができる組織です。この機会の積み重ねが、地域社会や企業でのリーダーを育成し、まちの活力になるとするならば、同じ志を持ち共に活動できる多くの仲間を増やしていくということは、まさにまちづくりの源なのです。
駒ヶ根青年会議所のここ数年を会員数から見れば、それは縮小する組織です。定年制がある組織ゆえに、会員が増えなければ更に縮小するのは明白な事実です。我々の活動を支える会員拡大は、最大の課題だと言わざるを得ません。
我々は、「明るい豊かな社会」の実現を目的とし、日々活動を行っています。その姿に自信と誇りを持って地域へと発信し、メンバー全員でまちづくりの仲間を増やし、組織の発展へと繋げていこう。
良樹細根
~ 脚もとの強化が大樹を育む ~
2007年度、駒ヶ根青年会議所は公益法人制度改革の施行に向け、会員総意のもと公益社団法人格を取得するという道を選択しました。そして、2008年に公益法人制度改革元年を向かえて以来、我々は事業の公益性やディスクロージャーの実務に関する準備を進めて来ました。さあ、2011年度は、いよいよ公益社団法人格取得に向けた一歩を踏み出します。メンバー一人ひとりが、公益法人として地域で活動していくことの責任と可能性を今一度確認し、組織の基盤を構築しよう。
我々がまちづくりを展開していく上で、円滑な組織運営は欠かす事の出来ない重要な要素です。信頼ある行動を徹底して続ける事で、LOM内に良い影響を与え、組織全体に変化をもたらします。我々の行う活動が、地域に力強く響くためにも「あたりまえ」の意識を引き上げよう。
「根深ければ、葉茂し」根が細かく張っている樹は、葉がみごとに生い茂っています。何事も重要なのは根で、葉は後です。
※ ディスクロージャー - 情報開示の意。
~ おわりに ~
まちづくりは一日でできるものではありません
そして、一人でできるものでもありません
まちを形づくる要素は、そのまちの建物や町並みや文化や環境だけではありません
そこに暮らしている人たちのまちに対する意識こそが、まちを形づくります
私たちは、間違いなくこの時代に生きています
決して他人ごとではありません
私たちの想いこそが、まちの未来を創るのです
感謝と情熱を胸に、主体的に生きよう
私たちの普遍の心根が、かたちとなる社会を目指して










